『天使の雑談』 「おいっバラキエル!あの噂聞いたか?」 深夜から始めた賭博が見事勝利し、一眠りしようとした矢先にラファエルが息を荒くして声をかけてきた。 迷惑極まりないがラファエルは一応無二の友である。聞かぬ訳にもいかない。 「…どんな噂だ?」 「おいおいこの噂知らないのお前くらいだぞ?どうせお前のことだ、また賭博でもやってたんだろっ!」 「………図星だがその話し方どうにかしたらどうだ?」 稲妻を司るバラキエルは指先でバチバチ鳴らしてみせた。 前々から思っていたのだがラファエルは力天使の長としての自覚が足りない。 「相変わらず短気だな。熾天使の長の名が廃るぜ?」 「…」 「まあいい。噂というのはサマエルが〔死の天使〕としてモーゼのじいさんを迎えに行ったら杖で殴られた上、 逃げ帰って来たらしいんだ!」 「!…サマエル…十二枚の翼を持つ者か…」 「しかも失明したかもだってよ!いい気味だよな!地をつくって神を気取ってたあのアイツが! たかが人間のご老人にやられるなんてなあ!」 ラファエルは興奮気味に捲し立てた。 ………こいつ、人間界では旅人の守護者などと言われて慕われているらしいが、本当なのだろうか…? 人間界にはこんな喧しい族ばかりなのか? 「……きっと…これでソフィアもアイツの暴力を受けずにすむよな…?」 ラファエルは弱々しく言った。気付けば先程の彼とは雰囲気が全くの別のものになっていた。 「!」 そうか…そうだった。ラファエルはサマエルの母親のことを―― 「ああ。大丈夫だラファエル。ソフィアはもう暴力なんか受けない」 「バラキエル…ありがとう」 バラキエルのその言葉を聞くと安心したのか、ラファエルは微笑んで言った。 二人はそのまま何も話さなかった。 そろそろ夜が明ける。 バラキエルは目の端で彼の横顔を覗き見ると、微笑んだ彼の目から一粒の泪が流れ落ちた。 ※補足 サマエルは自分の母親であるソフィアに諌められ逆ギレし、暴力を振るっていたそうです。ひどいやつじゃ… ラファエル→ソフィア と、 ラファエルとバラキエルが無二の友っていうのは勝手に作った設定ですw 参考文献:「天使」と「悪魔」がよくわかる本 久しぶりな短編小説が天使とかの話で分かりにくくてスイマセン! 友人に「天使とか悪魔とかの小説か漫画かいて☆」とか言われたんで書いてみた次第ですw 参考文献は元からいつか参考になるかな〜と思って何年か前にセブ●(某コンビニ)で購入したもんです^^*買っておいて良かったw おいこれはこうだろ!とか天界のダメ出しは勘弁ですorz私もよく知らなんだ! [09/01/02] ⇒目次に戻る |