『いえでん』





























 「はい」



 たまたまテスト週間で、早く帰宅していた真理は、電話の鳴る音を聞いて急いで受話器を持ち上げ、そう言った。


いつもであれば自分にかかってくる電話は携帯だけなので、家の電話には出ないのだが、

丁度この日は真理以外出掛けていた為、仕方なく電話に出た。



 「適当に番号いれてみたんだけど繋がるとは思わなかったな。君さえ良かったら今から話さないか」と、

聞いたことのない声が嬉しそうに言った。



三十代前半くらいの男性のようだ。この様な電話を受けたことはなかったが、噂で聞いたことがあった。


隣町でこれと似た電話を受けた女子高生が個人情報を相手に教えてしまい、

目を覆いたくなるほど無残な姿となって発見されたというのだ。



もちろん真理はこんな手には乗る訳がない。



特に用事なんてなかったが、「この後、出掛けなければならないので」と、言い終わるとすぐに電話を切った。

リダイヤルでまたかかってくるのではと思い、その場に立ち、待ってみたが電話は沈黙したままだった。




 昼の電話のことも忘れ、自室で雑誌を読んでいるとインターホンが鳴った。

現時間は五時。少し早いがパートを終えた母が帰って来たのかもしれない。

真理はインターホンに出る。母は忘れ物をしがちだから、きっと今日も鍵を忘れたんだろう。



 「なんだ、居るじゃん」



あの電話で耳にした声が聞こえると同時に、玄関のドアが開く音が真理の耳には届いた。




















 一回このようなメールが(auのCメールで)届いたことにより出来た作品です^^;

あれはかなりビビったなぁ・・・



メールは勿論返しませんでしたけど!   [07/01/27]






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